罪と罰第4部(17)
本日は、かるーく、ささーっとね。
48 Да послушайте же, Родион Романович, благодетель вы мой, ну вот хоть бы это-то обстоятельство
でも、いいですか、ラスコーリニコフさん、お願いですから、せめてこの話ぐらいは聞いてくださいよ。(亀山訳372ページ)
это-то обстоятельствоって、「この話」? 「この状況」でしょ。これから言うことじゃなく、既にあること。つまり、疑われていると思っているラスコーリニコフが、幻覚じゃないと言い張っているということ。そういった状況が何を意味するかを説明しようとしている。「いいですか、ラスコーリニコフさんねえあなた、少なくともこんなことになってるんですよ」とか。
49 Зачем сами-то вы так к нам напрашиваетесь, из каких причин?
どうしてそう、自分から無理難題をふっかけられるんです、どういう理由です?(亀山訳379ページ)
напрашиватьсяは「無理難題をふっかける」というより、「うるさくせがむ」という感じ。「自分から無理難題」というのはちょっと・・・
50 Ты лжешь и дразнишь меня, чтоб я себя выдал...
「きさま、嘘っぱち並べておれをからかい、口を割らせる気だな・・・・・・」(亀山訳382ページ)
「口を割る」は、白状することだが、выдать себяは、思わず隠していることを表してしまうこと。若干違います。この動詞、396ぺーじにもあって「正体をさらけだす」と訳されている。どうかなあ・・・
51 Где он был сегодня?
昨日の男は? やつはどこに消えてしまったのか? やつは今どこにいる? ポルフィーリーが何か有力な手がかりをにぎっているとしたら、むろん、昨日の男が一枚かんでいるにちがいない(亀山訳397ページ)
一枚かんでいる(これまた亀山先生独特)としたら、ということで:「やつは今日どこにいた?」 過去形。
52 Это вы сказали сегодня Порфирию
「今日、ポルフィーリーに話をしたのはあなただったんですね(亀山訳401ページ)
今日までポルフィーリーは部屋の件を知らなかったと気づいての質問。あとでもう一度「今日ですか?」と訊き直していることから見ても、質問の意図は「あなた?」だけではない。「あなたが今日、ポルフィーリーに話したんですね」とするべき。
あとは・・・わての気のせいかなあ。だとしたら、ご容赦。
★(ポルフィーリー)は多少とも強引すぎるきらいはあったにせよ、あぶなげなく手を打った(亀山訳396ページ)
攻撃一方の側の手をあぶなげないというのはどうかと思いまして・・・
★なぜか彼は、少なくとも今日一日は、ほぼ確実に自分が安全と考えてもいいのだ、という予感がしていた。
亀山先生もご自身の文章ならこうはl書かないと思うのだが。予感がしていた→感じていた。
では、勇躍、3巻へ。
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