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2007年1月10日 (水)

ドストエフスキー・白痴4

ドストエフスキーの白痴の公開を開始しました(ここ)。まだ1~2%。文字通り劇的な訳を目指したいところではありますが、そういうことのできるレベルには達していないのでねえ。なるべくおもしろさが伝わるように、くどくどしないように、と心がけましょう。登場人物の呼称ですが、前にも述べたように、読者の方々にはわずらわしいかもしれませんが、なるべく原文に沿って。慣れればそのほうが正確にニュアンスが伝わるはずです。それに、ガヴリーラ・アルダリオーノヴィチ(名と父称、姓はイヴォルギン)をガヴリーラさんとかガヴリーラ君とか訳すのは間違いに近いのではないですか?むしろイヴォルギンさん(または君)でしょう。私は断然、ガヴリーラ・アルダリオーノヴィチのままでいきます。アルダリオーノヴィチとアルダリオーヌイチを統一することもしません。ただムイシュキン公爵がスイスで世話になった医者のシュナイデルをシュナイデルと言っているところは『さん』をつけることにします(それが正しいことかどうかはわかりませんし、これはまだ先の話です)。

ところで、Project Gutenbergにドストエフスキーの『白痴』の英訳があります。Eva Martinという人の翻訳ですが、これが名訳かどうかは私にはわかりません。ただ、参考にしようと思って見ると、これがまったく参考にならない、そこが非常に参考になります。どうして参考にならないかというと、訳しにくい(と私に思われる)ところはばっさり切り捨ててあるからです。意訳や勝手な創作の部分もありますが、何より特徴は大胆な省略(こういうことは、たとえばConstance Garnettさんの『罪と罰』の翻訳ではなさそうです)。しかし、それで通用するなら(どうやら通用しているらしい)、物語の大部分を損なわずにすむなら・・・・・原文に忠実であろうとするあまり文章になっていない翻訳をするよりいいのかもしれません。ま、この世の中に、翻訳かくあるべし、というようなものが存在するのかどうか、私は知りませんが。

私はまだあえて勝手なことができるレベルに達していないので、できればドストエフスキーのご機嫌をそこねないようなものにしたいですねえ。しばらく一ヶ月に一章のペースでいければと思っています。何年か前に『地下室の手記』を訳し始めた時には一日に一行も進まない日もあったことを思えばずいぶん進歩したものです。

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戦争のために精神に障害を受け、人から白痴と呼ばれるようになった無垢な男・亀田(森雅之)と、復員途中で知り合った金持ちの息子・赤間。なぜか気の合うふたりは赤間の故郷・札幌の写真館で、ふと美しい女性・妙子(原節子)の写真を見た。まもなく3人の、そして周囲をも巻き込む壮大なかつ赤裸々なドラマが始まる…。 巨匠・黒澤明監督が、敬愛するロシアの文豪ドストエフスキー『白痴』を原作に、舞台を北海道に置き換えて演出した野心作。まるで北海道がロシアのように思えてくるほどの気品高い見事な雪の世界観の... [続きを読む]

受信: 2007年2月 5日 (月) 01時11分

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